世界のキリスト教会には聖人たちの絵画が掲げられています。その中にはメガネを掛けた、または傍らに置いた姿で描かれている聖人の姿もあることをご存知でしょうか。

メガネは13世紀にイタリアで発明されたという記述があります。例えば聖ヒエロニムスという西暦350年頃の神学者は、メガネとともに書斎で瞑想する姿で描かれています。

簡単に研磨したレンズを通してものを見ることは紀元前から行われていたことが分っていますが13世紀に凸レンズを使用し遠視などの矯正に使われるメガネが発明されます。



西暦350年頃というとメガネが発明される以前ですが、どうして聖ヒエロニムスは
発明される前のメガネと一緒に描かれることになったのでしょうか?



絵が描かれた中世、人々は字が読めない人が大半でした。
教会や修道院などの聖職者は発明されたばかりのメガネを使い、聖書や神学などの
書物を読み豊富な知識を持っていました。

メガネも書物も当時はまだとても高価で庶民の手の届くものではなかったため、
教会を中心とした聖なる場所で使われ豊かな知識・教養を持つ神聖なシンボル=「メガネ」
として宗教画などに取り入れられるようになったのです。
そのため、メガネ発明以前の時代の聖人が手にメガネを持った姿で描かれるようになったと
考えられています。

絵を描いた画家も、ルネサンス時代に比較的手に入りやすくなったメガネをモデルとして
描きやすくなり、広く宗教画に取り入れるようになっていきました。
前回の文明開化時代に日本におけるメガネの考えでも同じだったように
メガネは教養や知識を表すシンボルだったのです。


 

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